山野草の一種のホタルブクロ、名前の通り蛍が出るころ咲き始めます。我家では、この花の咲くのを合図に蛍狩りに出かけます。花はうつむき加減で、日本の花といったおくゆかしい感じがしますが、丈夫な多年草で、地植えすると最初の手立てをしないと後が大変です。そんな、ホタルブクロの育て方について紹介します。
ホタルブクロは、こんなお花!
- 分類:山野草
- 属名:キキョウ科カンパニュラ属
- 別名:提灯花
- 形態:多年草
- 原産地:東北アジアと朝鮮半島、日本
- 開花期:5月下旬~7月
- 草丈:30~80㎝
- 種まき、植え付け:2~3月
- 花言葉:正義、愛らしさ、貞節
- 名の由来:蛍狩りの時に、花の中に蛍を入れ提灯に見立てたことから
ホタルブクロは、各地の平地から山地に広く分布する多年草です。日当たりのよい草原や、林などで多く見られます。
5月末~7月頃まで、釣り鐘形の花を茎に多数咲かせます。一番花が終わり、花の萼の根元にはすでに小さな二番花の蕾ができています。花摘みをすれば、二番花が奇麗に楽しめます。
細い地下茎を伸ばしてどんどん増え、開花した株は種と多数の子株を残して枯れます。子株は1~2年で親株になります。丈夫で、あまり手のかからない植物です。
ホタルブクロの育て方
植え替え、種まきと土質
植え替え、種まき共に2月~3月が適期となっています。小さな苗については、直射日光を避ければ、この適期以外でも可能です。
水はけが良ければ、土質はといません。しいて言えば、庭土6、腐葉土(またはバーク堆肥)3、もみ殻くん炭1の配合土で、緩効性の化成肥料を混ぜて植えこみます。庭土が粘土質ならば砂や軽石小粒、パーライトなどを混ぜ、砂質ならば黒土などを適宜加えます。
市販の草花用培養土でもよく育ちます。鉢植えの場合は、元肥として1~2つまみの化成肥料を入れてください。
種を直播にする場合は、2週間ほど前に、必要なものを混ぜ込み、固めない程度に土を掘り越しならしておきます。種は、小さいので軽く溝を掘り、すじまきにし、軽く土をかけます。あとは、水やりを優しくします。勢いよくすると種が流れ出ることがあるので、やさしく行ってください。発芽して、本葉が数枚出たら植え替えができます。
植え付け、置き場所
ホタルブクロは日の当たる場所を好みますが、最近のひざしはきついので、直射日光がずっと当たる場所は避け、半日陰が望ましいです。
日当たりが悪いとまた花つきがよくなかったり、倒れ咲きになったり、徒長を引き起こす原因にもなります。
鉢植えの場合、盛夏の間だけ明るい軒下、明るい日陰に移すことをお勧めします。
水やり
地植えの場合は、植え替えをした約2週間は、根が根付くまで水やりを毎日行います。その後は、特に水やりは必要ありませんが、雨が少なく、高温が続く場合は水やりをしてください。
鉢植えの場合は、3月~10月頃までは、生育が旺盛なので1日1回の水やりが必要です。
冬になると、ほぼ休眠状態となり、地上部には小苗の葉が残っているくらいです。鉢の表面が乾いたら水やりをしてください。
肥料
地植えの場合は、特に必要ありません。
植え付けの時の緩効性の化成肥料で十分ですが、花付きが気になるようでしたら、4月~5月の成長期に液体肥料を2000倍に薄めて追肥します。子株には夏の間も施します。秋にはリン酸が多めの緩効性の固形肥料を追肥します。
増やし方
ホタルブクロは地下茎が横に横に広がっていくので、狭い鉢だと根詰まりをおこしやすいため、株分けで増やしていくことをお勧めします。その点からみると、鉢植えよりも地植えが簡単です。
できた種から増やすこともできます。できるだけ種を良好な状態で採取したいのであれば、熟す前の果実が茶色や黄色くなったころに、採取して下さい。そのままお茶パックなどの密閉できる空間で保存し、乾燥するまで放置します。採取した種は、密閉できるチャック式のビニール袋などに入れ、冷蔵庫に保存して下さい。
まとめ
釣り鐘状の花をうつむき加減に咲かせる花姿を見ていると、野生の花とは思えない可憐さがあります。愛好者が多いのもわかる気がします。我家のホタルブクロは白色ですが、花の色のピンク色の赤身は関東では濃く、西へ行くほどに薄くなってくるという不思議な現象もあるようです。
でも、いったん根付くと、地下茎でどんどん増えていくのがホタルブクロです。ある一定の区間で増やしたい方は、やはり仕切りを考えることをお勧めします。あとのお世話が大変になるので、最初が肝心です。