イギリスでは、春を告げる花といえばスイセンが代表的だそうです。育て方も簡単で、意外と安価で手にはいるので、秋には多くの家庭で植えられ、春の訪れを待つと聞きます。イギリスを構成する4つの地域の1つ、ウエールズの国花でもあり、3月1日「St David’s day」には、黄色のラッパスイセン「ダファディル」を身に着けてお祝いをすると聞きました。ヨーロッパを中心に品種改良されて、現在、RHS(英国王立園芸協会)には園芸品種として2万種を超える登録がされているそうです。多彩な品種群を誇っているスイセンです。きっと、気に入るスイセンの花が見つかると思います。春の庭を清楚な花姿で彩り、爽やかな香りにつつまれてみませんか?
スイセンて、どんな花?
- ヒガンバナ科
- 秋植え球根
- 別名:ナルキッスス/ダッフォディル
- 草丈:20~40㎝
- 原産:地中海沿岸、北アフリカ、スペイン、ポルトガル
スイセンというと、以前は二ホンズイセンをさすことが多かったですが、現在は、他の品種も合わせてスイセン属の総称として使われています。スイセンの原種は約40種、ヨーロッパを中心に品種改良がすすみ、RHS(英国王立園芸協会)には2万を超す園芸品種が登録されています。スイセンの原種および花形、花色、草姿などから、現在は13系統に分類されています。
- ラッパスイセン=副花冠の長さが花弁と同じか、花弁より長いもので、1茎に1花が咲く。
- 大杯スイセン=副花冠が花弁の1/3以上あるもの
- 小杯スイセン=副花冠が花弁の1/3以下のもの
- 八重咲きスイセン=副花冠、めしべ、おしべともに花弁化して八重咲きになったもの
- トライアンドラリスズイセン=花は下向きに咲き、花弁はわずかに反り返り、1茎に2輪以上の花が咲く。
- シクラミニウススイセン=1茎に1花が咲き、副花冠は長い筒状、花は下向きに咲き、花弁は反り返る。シクラメン咲きとも言われる。
- 芳香ズイセン(ジョンキラ、アポダンサススイセ ン)
- 房咲きタゼッタスイセン=1茎に多くの花を付け香りがあ り、ニホンズイセンもここに分類される。
- クチベニスイセン(別名:ポエティクス)=副花冠の先端部分が口紅を差したかのように紅色に染まっている。
- ペチコートスイセン(別名:バルボコディウム)=ラッパ上の大き副花冠を持つユニークな花姿
- スプリットコロナスイセン(バタフライスイセン)=副花冠が1/3以上裂けているもの
- その他のスイセン
- 原種名で区別されるもの
《 スイセンの球根商品紹介 》
スイセンは、いつ頃日本にきたの?
スイセンは、スペイン、ポルトガルを含む地中海沿岸のヨーロッパ、北アフリカを含む地中海沿岸地域が原産です。房咲きスイセンをはじめとした一部の品種は、ギリシャから中国にも分布し、日本に古くからある二ホンズイセンは中国を経由して、平安時代末期に渡来したと言われています。また、 本州の関東以西の比較的暖かい海岸近くの湿り気のある場所で野生化した群生が見られますが、海流に乗って漂着したものが野生化したものではないかとも言われています。越前海岸の群生地が有名ですね。重要文化的景観にも選定され、越前水仙というブランド化もされています。
名前の由来は?
スイセンの学名はNarcissus。これはギリシャ神話に登場するナルキッソスという美少年の名に由来しています。高慢になっていた美少年のナルキッソスが復讐の女神ネメシスに呪文をかけられ、水面に映った自分の姿に恋をしますが、水面の中の少年がその思いにこたえることはなんく、ナルキッソスは恋の苦しみで憔悴し、そのまま死んでしまいます。その体が水面を見つめて咲くスイセンになったといわれています。この神話からスイセンの学名はNarcissusとなったそうです。そして、花言葉は、「うぬぼれ」「自己愛」がつけられました。
和名の「スイセン」という名は、中国での呼び名「水仙」を音読みしたものだそうです。中国では水の豊かな土地を好み、「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来したものだそうです。水辺で咲く姿を仙人にたとえたのでしょうね。
スイセンには毒があるって本当?
まとめ
スイセンの不思議を知ると、一段と魅力を感じていただけると思います。 一度は植えてみたい球根の1つに、スイセンは上がります。早春を彩るスイセン、機会がありましたら、お庭で楽しんでみてください。スイセンの植え方・育て方については、こちらからどうぞ!