お花を育て始めると、「奇麗に咲いたお花をできるだけ豪華に、見栄え良く見せたい」と思い始めますよね。そうすると、株分け・植え替えの時に、鉢が気になり始めませんか? 大きさについては、抜いた時の2回り大きいものをとよく言われます。でも、選んだ鉢の材質・深さ、その植物に合った鉢かどうかを考えてますか? 鉢の特徴を知り、花が育ちやすい環境になるよう、準備するのも大切なところです。ここでは、鉢についてご紹介します。
7種類の鉢の長所と短所
粘土を使った焼き物の鉢
種類 | 素焼きの鉢 | 駄温鉢 | テラコッタ鉢 |
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焼き方 | 約900℃の低温で焼いた | 約1100℃の中温で焼いた | 1100~1300℃の高温で焼いた |
メリット | 通気性・通水性に優れている。 側面から水分も蒸発しやすいのが特徴。 水分が蒸発するときの気化熱が奪われるので、鉢内の温度が上がりにくい。 | 縁部に釉薬が塗られています。 素焼き鉢に比べると、通気性・通水性が不十分。 素焼き鉢よりは、丈夫で、断熱性があります。 | 肉厚で丈夫。無釉薬の鉢です。通気性・通水性は、駄温鉢より劣ります。 |
デメリット | 水はけがよすぎて、水やりをまめに行わなければなりません。 | 培養目的なので、観賞用には劣ります。 | イタリアからの輸入もので、鉢底の穴が小さく、水はけが悪い。また、鉢底が平らなものが多く、直接地面に奥と水膜ができて、排水が悪くなることがあります。 |
木製とブリキ鉢
種類 | 陶 器 | 木 製 | ブリキ |
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メリット | 素焼き鉢に釉薬をかけて焼いたものです。表面に光沢があり、デザインは豊富。 | 素焼き鉢ほどではないが、排水性と通気性がある。カントリーの風合いが人気です。 | 素朴な風合いで、軽くて落としても割れにくいので、扱いやすいです。加工しやすく、底穴を大きく開けることもできます。 |
デメリット | 釉薬がかかっているので、排水性や通気性は望めません。重く、衝撃に弱いので取り扱いに注意が必要です。 | 使用している木の材質にもよるが、耐用年数が数年と短く、次第に腐って土に戻ります。 | 通気性はあまりなく、雨ざらしにしているとさびやすいのが難点。 |
プラスチック鉢
- プラスチック製の成型鉢です。
- 良い点=軽くて丈夫で、扱いやすい。
- 悪い点=側面の通気性、通水性は全くなく、断熱効果がほとんどないことで、置き場所によれば、夏場などは鉢内の温度が上がって蒸れてしまう。
*構造上に、水のたまりにくい「菊鉢」、鉢の側面にスリットが入った鉢を水はけのよい土と組み合わせれば欠点を補うことができます。
鉢の深さの選び方は?
鉢を選ぶ時は、材質だけでなく、植物の性質も大事になります。クレマチスのように長い根を深く伸ばす植物であれば、平鉢では当然無理です。球根のユリの仲間も深いものでなければ上手く育ちません。地上部に比較して根が多く、深く伸びるものについては、十分な深さのある物を選びます。既存の物を利用する時は、深さの必要ないものについては、通水性を考え、鉢底に底石・発泡スチロールの砕いた物・腐葉土等を利用する方法もあります。
《 鉢の商品紹介 》
まとめ
鉢にも種類があり、それぞれの特徴もあります。用土との組み合わせで、花の特性を生かして利用していけばよいと思います。特性を知らずに、過度の水やりをしてお花を枯らしてしまうことも結構あるようです。皆さんのそれぞれの性格も、鉢選びには関係してきそうですね。それぞれのライフスタイルに合ったものを選んで、「花のある暮らし」を楽しんでみましょう。機会があれば、鉢と合わせて考える必要のある、用土についても投稿しようと思います。