トマトは、大人だけでなく、子供の好きな野菜の1つで、彩も良く家庭の食卓に並ぶ頻度も高いのではないでしょうか。日本では、1人当たり年間どのくらい食べているのでしょう?
2013年のFAO(国際連合食糧農業機関)資料では、日本では1人当たりの年間摂取量は10kgとあります。1日の量にするとミニトマト2個分だそうですよ。ちなみに、世界平均は18kg、そして気になる世界1位はトルコの99kg。実にすごい量!ですね。日本では生食で摂取するのが好まれていますが、海外では加熱して水分を飛ばし、容量を減らしたトマトを食材としているため、大量に使うことになるようです。
栄養価の高いトマト、加工品も色々出まわっています。健康維持に上手に取り入れていきたいところですが、生トマトと加工トマト、栄養価の違いがでてくるのでしょうか?
生トマトと加工トマト、どう違うの?
トマトには、大きく2つの分類があります。生食用トマトと加工用トマトの2分類です。
生食用トマトは、ピンク系トマトといわれ、皮が薄く臭いが弱いという性質があります。日本では、トマトを生で食べることが多いので、市販されているトマトは桃系トマトが主流になります。現在、1番人気のあるトマトが、「桃太郎」という種類のトマトです。このトマトの栽培は、露地やハウスの中で生育の調整をしながら1年中生産が可能です。
加工用トマトは、農林水産省が決めた規格があり、完 熟したものであることや、リコピン含有量、色の赤み等が決め られており、赤系トマトと言われています。栽培は、契約農家で行われ、すべて露地栽培、完熟してからの収穫、その日の内に加工場に運びこまれて加工品に生まれ変わります。完全契約栽培で一般に店頭で加工用トマトを見ることはないです。
トマトの魅力的な栄養素
トマトの赤色の成分はリコピンです。リコピンは、活性酸素を除去する抗酸化作用があり、老化の進行を抑制し、がんや動脈硬化を予防する働きがあります。リコピンは熱に強く、煮たり焼いたりしても抗酸化力は低下しにくいと言われています。
また、コラーゲンの生成を促し美肌効果が期待できるビタミンCや、体内のナトリウムの排出を促すカリウムも含んでいます。
さらに、酸味の主な成分であるクエン酸は食欲を増進させる働きがあるため、食欲の低下しがちな暑い時期にとりいれると効果的です。様々な効能を持つトマトは、生食はもちろん色々な調理にも上手く使い、健康増進に役立てたい野菜です。詳しくは、トマトの栄養効果をご覧ください。
生トマトと加工品との栄養価の違いは?
生トマトと代用的なトマトの加工品の栄養価を調べてみました。
熱量 (Kcal) | 蛋白質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) | βカロテン(μg) | ビタミンE(mg) | ナトリウム(mg) | 銅 (mg) | モリブラン(μg) | |
トマト | 19 | 0.7 | o.1 | 4.7 | 540 | 1.49 | 4.95 | 0.07 | 3.3 |
トマト ホール缶 | 20 | 0.9 | 0.2 | 4.4 | 570 | 1.2 | 270 | 0.08 | ? |
トマト ジュース | 17 | 0.7 | 0.1 | 4.0 | 3.0 | 0.7 | 230 | 0.06 | 4.0 |
トマト ソース | 44 | 2.0 | 0.2 | 8.5 | 480 | 2.1 | 540 | 0.16 | ? |
ドライ トマト | 291 | 14.2 | 2.1 | 67.3 | 2600 | 18.0 | 120 | 0.82 | 29 |
加工品と生トマトの栄養価について、大きな差はないようです。
ただ、加工品になると、ナトリウムの量が上がってくること。そして、濃縮の度合いが増すトマトソースやドライトマトのように、エネルギー量・炭水化物量が増えてくるので、調理の使用量に幾分注意が必要になってきます。用途に合わせて上手な使用を考えていきましょう。
注目すべき栄養素の「リコピン」は、強い日差しのもとで育った「赤系」トマトに含有量が多いと言われています。国産のピンク系トマトんの場合100gあたり5mg程度ですが、トマト缶には14〜15mgも含まれて、約3倍の差があります。リコピンを多く摂取したい場合は、トマト缶を使用すると良いと思います。
まとめ
トマトと言えば、旨味と甘味のイメージから、高い糖質値が想像されますが、野菜の中でも少ないほうに分類されるので、ダイエット中の方にも利用頻度の高い食品だと思います。トマトは加熱することで甘みが増します。スープや鍋と相性がとっても良く、ベースの味つけにはホールトマト缶、食感を味わうならカットトマト缶で利用するのはどうでしょう。こうして使うと、トマトの摂取量もどんどん増えてきますね。トマトに含まれるリコピンは、生食よりも加熱をしたほうが2~3倍程度効率よく吸収できるそうです。さらに、リコピンは油に溶けやすい性質を持っているため、オリーヴオイルなどで加熱して食べるのが良いとされていますが、トマトにオリーブオイルを和えるだけでも良いです。(ミニトマトのオイル漬けレシピ) できるだけトマトの栄養素を逃さないように上手に摂取したいですね。
私は、今年も、7~8月の太陽をいっぱい浴びた、リコピンの多い完熟トマトが沢山採れることを目標にトマトの家庭菜園にはげみます。