ミョウガの育て方!|家庭菜園で育てやすく、一寸あれば便利な香辛野菜

ミョウガのざる盛 野菜・果物

ミョウガは、刻むと独特の風味と食感で、夏には薬味としてよく利用されています。一寸あると何かと便利な香辛野菜、我が家でも栽培し始めて10年がたちます。あまり手をかけなくても育つので、家庭菜園でも人気の野菜の1つです。今回は、初心者でも簡単に栽培できるミョウガの育て方をご紹介します。

ミョウガって、こんなハーブ!

  • 属名:ショウガ科ショウガ属
  • 原産:東アジア
  • 草丈 : 40~100㎝
  • 葉:20~30㎝で先端がとがっている
  • 食用:茗荷と呼ばれているのは花蕾、新芽を軟化させてものが茗荷タケで食用になる
  • 繁殖:繁殖は地下茎による

ミョウガの名の由来に、こんなインドの逸話があります。

釈迦の弟子の中の1人に、周利槃特(しゅりはんどく)がいます。彼は、物忘れがひどく、自分の名前すら忘れてしまうため、釈迦が「槃特」と書いた名札を作らせ、首から下げさせました。けれど、下げたことさえも忘れてしまい、とうとう死ぬまで名前を覚えることができなかったということです。ですが、周利槃特は釈迦の教えを守り、「塵を除く、垢を除く」と唱え、落とすべき汚れとは、貪(rāga)、瞋(dveṣa) 、痴(moha)という心の汚れだとさとりを開いていきます。釈迦から、徹底することで悟りを開けたことを大衆の前で認められました。周梨槃特の死後、墓から見慣れない草が生えていました。そこで、この草の名をつけるとしたとき、生前の周梨槃特の様子、「名」を「荷(にな)う」ことから、この草を茗荷と名付けられたそうです。 

ミョウガの名の由来には、他にも説があるようですが、「ミョウガを食べると物忘れがひどくなる」というのは、この逸話からきているようです。ですので、栄養的にはそのようなことはありません。

ミョウガの植え付けのポイント

ミョウガ栽培が家庭菜園で人気の理由は2つあります。

  • 病害虫被害がなく、一度植え付けてしまえばほとんど手をかけずに毎年収穫できる。
  • ミョウガは、湿気があって暗いところを好む性質があり、日当たりが悪い場所でも育てることができる。

あると便利なミョウガです。育てるポイントをまとめてみました。

ミョウガ苗の準備

地下茎で2月~4月頃にホームセンターで販売されます。選ぶポイントは長さ15~20㎝ほどで、太くてしっかりしたもの、白い爪のような芽が2~4個ついているものを選びます。

用土の準備 

プランター栽培の場合は、市販の野菜用培養土に完熟堆肥を2割ほど混ぜます。ブレンドする場合は、小粒の赤玉土6割、改良用土に腐葉土等の堆肥3割、くん炭と珪酸塩白土で1割、で作ります。プランターは、深さは約30㎝、地下茎で広がるので幅広の方が良いです。幅50~70㎝、奥行き40~50㎝の大型のプランターサイズが良いです。

地植えの場合は、植え付けの2週間前に石灰を1㎡に対して150~200g(3握り)を混ぜ、酸度の改善をします。しっかり30~50㎝の深さまで掘り起こし、天地返しも行っておきます。1週間前に堆肥(腐葉土、牛糞等)を土の3割程度混ぜこみ土の準備をします。

野菜を栽培する場所が極端に粘土質であったり、耕土が浅くて、水はけが悪かったりする場合は、「天地返し」をお勧めします。表層土と深層土と呼ばれる深い層の病原菌が少ない土とを入れ替える作業です。

植え付け・株分け方法とその時期

植え付け

植え付けは、3~4月。春の植え付けでは、2週間くらいで芽が出てきます。

地植えの場合は、土の表面から10㎝ほどの溝を掘り、芽を上向きにして植え付けます。株間は、15~20㎝あけて植えます。

プランターの場合は、土表面から深さ3㎝に植え付けます。株間は、目安として10~15㎝ですが、ほどよく間隔をとれば大丈夫です。

地植えでは、植え付けて4~5年はそのままで収穫できますが、それ以上経過すると、地下茎が込み合ってくるので株分けをお勧めします。プランター栽培では、3年が目安となります。植え替えは、連作障害の予防から別の場所で栽培を行います。プランター栽培の場合は、新しい用土を準備することになりますが、土のリサイクルも挑戦してみましょう。

株分け

基本的には、植え付け時期の3~4月になります。10~11月頃、茎上部が枯れて切り取った後に行うこともできます。丁寧に掘り起こして、地下茎を15㎝くらいに切り取り、準備している用土に植え付けます。

植え付け後は、乾燥を嫌うためしっかり水やりをします。

その後の管理は?

水やり

ミョウガは、湿気があり暗いところを好む植物なので、乾燥を嫌います。土の状態を見ながら水切れしないように注意が必要です。特にプランター栽培の場合、生育期間中は毎日の水やりが必要です。また、乾燥防止対策に、籾殻・藁などで根元をカバーするのも良い方法です。

肥料

肥料がなくても良く育つといわれますが、6~10月に追肥をすると成長が安定します。葉が2~3枚出たら追肥の開始です。緩効性肥料は月に1回、液体肥料等の速効性肥料は2週間に1回ほど与えると良いです。

ミョウガの収穫はいつ?

ミョウガは収穫時期によって、7~8月は夏ミョウガ、9~10月は秋ミョウガと呼ばれます。花が咲いてしまうと柔らかくなり、風味が落ちるため、花が咲く前に収穫をします。敷き藁をしている場合は、下に埋もれてしまうことがあるので注意して見ていきましょう。

収穫方法は、土からミョウガの花蕾がのぞいたら、その根元から切り取るように行います。花蕾がついている茎の近く2~3㎝残して収穫すると、葉が再生してくれます。

植え付けの1年目の収穫は、9~10月からになり、収穫量も少なめです。2年目から収穫量が増えていきます。収穫時期は、1週間に2~3個のペースで、1つのプランターから約20個の収穫ができます。

収穫後の管理は?

11月頃になると、ミョウガの葉・茎は枯れてくるので、土の表面際で茎を切り取ります。冬場、地植えの場合はそのままの状態で大丈夫ですが、プランター栽培の場合は、軒下などに置いている場合は、適度に水やりをして湿度を保つ必要があります。乾燥しすぎると翌春の発芽に影響します。

まとめ

日陰でも十分育つミョウガです。植え付ければ4~5 年はそのままで収穫でき、楽しみの良い香辛野菜です。初心者でも簡単に取り組め、家庭菜園でも人気の野菜です。ご興味のある方はぜひ挑戦してみてくださいね。

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