かつて、日本の庭にはカキやウメなどの果樹が良く植えられていました。毎年収穫の時期になると、家族で楽しみながら季節の実を楽しんでいたものです。住宅事情の変化によって、果樹はすこし敬遠されがちでしたが、栽培が容易で、見た目にも奇麗な実をつけるベリー類が普及し、庭造りにとりいれる人が増えてきています。
ベリーには、様々な仲間たちがいます。どれも可愛くて、育てやすいものばかりです。庭がなくても、すべてコンテナで栽培できます。
ライフサイクルに合わせて自分だけの「ベリー生活」をはじめてみませんか。フレッシュな果実が美味しいブルーベリーのコンテナ栽培の方法をご紹介します。
ブルーベリーのコンテナ栽培に準備する物
植え付けポイント3つをおさえた準備品
- ブルーベリーは同じ系統で品種の違う苗を2株以上準備すると実つきが良くなります。
- 酸性の土を好むので、用土にはピートモスまたは、鹿沼土を混ぜて酸度調整をします。市販のブルーベリー用の土を求めるのが早道です。
- コンテナは、購入した苗より二回り大きいものを準備します。
必要なスペース(1年目)
- 幅:40㎝
- 高さ:50~70㎝
- 奥行:40㎝
- プランターサイズ:深型
- 収穫の目安:ブルーベリーは、春植え、秋植え共に翌年の夏から収穫スタートします。完熟したものから摘み取ります。5~10粒/3~4日、2年目からの2株で総収穫量は150~200gになります。
ブルーベリーの植え付けに必要な用土
元気なブルーベリーを栽培するためには、適した用土で栽培しなければなりません。
コンテナで栽培するケースでは培養土を利用すると手軽で便利です。特に、酸性土壌を好むブルーベリーの場合は、酸度未調整のピートモスを半量混ぜ込んで土壌の酸性を調整します。
ピートモスは水切れを起こすと給水が極端に悪くなるので、事前にしっかり水につけ、混ぜ合わせておきます。
植え付けた後は、株元をバークチップ名でマルチングしておくと極端な水分の蒸発を抑え、雑草の繁殖を抑えてくれます。
〈商品紹介〉
《鹿沼土》
栃木県鹿沼地方の軽石質の酸性土。通気性、水はけがよく、保水性もあります。粒は通常サイズ分けされていませんが、山野草用土として小粒に分けたものもあります。やや崩れやすいですが、崩れにくい硬質鹿沼土もあります。ほかのベース用土5~6に鹿沼土5~4の割合でブレンドして使います。
《ピートモス》
湖や沼に堆積した水苔類が、腐熟したもの。腐植質に富んで、軽く、通気・保水・排水性に富み、土壌改良剤としても使います。酸度未調整の物を使います。PH4程度が強いので、酸性を好む植物以外に使う場合は、石灰資材で酸度矯正が必要です。ベース用土(培養土が自分で行う基本のブレンド用土)5~6にピートモス5~4ンの割合でブレンドします。
《コンテナの配合用土》
赤玉土は、肥料成分がないため虫や菌が寄り付かない清潔な土で、水はけ、水もち、肥料もちがよいことから、園芸やガーデニングに欠かせない基本用土です。一般的には、小粒赤玉土6割、腐葉土4割の比率でブレンドします。市販の培養土も使用可能です。
《ブルーベリーの培養土》
ブルーベリー栽培に欠かせない最適なPHに調整されており、栽培に欠かせない有機物を50%使用しています。乾燥を嫌うブルーベリーに合わせ保水性も良く、根の生長に合わせて溶ける緩効性肥料も配合されて
ブルーベリーの苗の種類
ブルーベリーは、アメリカ原産のベリーの代表種です。200以上の品種があると言われています。ブルーベリーには、大きく3つの系統があります。
多くの果実を収穫するには、同じ系統の異なる品種を近くに置くようにすると実つきが良くなります。ラビットアイ系ブルーベリーは、自分自身の花粉では受精が上手くいかない性質があるからです。
ちなみに、ブルーベリーはラビットアイとハイブッシュの間では受粉しません。栽培を充実させるには系統と品種の特徴を知って育てることが大切です。
種類 | 特徴 | 収穫 | 代表品種 |
---|---|---|---|
ラビットアイ系 | ウサギの目のように赤く色づく幼い果 実が特徴。大変丈夫であまり土壌を選 ばず、ハイブリッド系と比べて収穫量 が多いので初心者にもお勧め。 比較的温暖な関東以西での栽培に適し ています。 | 7~9月 | ウッタード ホームベル ティフブルー |
北部 ハイブリッド系 | 寒さに強く、寒冷地の適した系統。 大粒の生食に適した品種が多くそろっ ていますが、土壌適応性が狭く、酸性 でないと生育が悪くなります。 | 6~8月 上旬 | スパルタン バークレイ チャンドラ |
南部 ハイブッシュ系 | 北部ハイブッシュ系に比べ耐寒性が低 く、寒冷地では生育が難しい系統。 サザンハイブッシュとも呼ばれていま す。品種によっては耐寒性を持つもの もあります。 | 6~8月 | オニール サンシャインブルー |
《 ブルーベリー苗 商品紹介 》
コンテナ栽培の場合は、1~2年生の苗を小さなうちからじっくり育てる方法と、すぐに収穫を楽しめる3年生以上の大きな苗を購入する方法とがあります。
苗木には、色々な種類があります。ビニールポットに植えられたポット苗、根がむき出しになっている裸苗、麻袋で根を保護した根巻苗があり、挿し木苗や取り木で増やした苗が多いようです。芽がたくさんついた枝ぶりの良い物を選ぶようにしましょう。
3年生ぐらいの苗を休眠期に購入して、木を充実させながら成長に合わせて収穫するのがベストな育て方です。ブルーベリーの苗は、園芸店やホームセンターで購入できますが、インターネット販売でも簡単に購入できます。
コンテナの植え付けにチャレンジ
ブルーベリーは落葉果樹なので、植え付けは根の生育が止まっている時期に行うのが一般的です。関東以西では10~12月頃が適期です。
休眠期に植えると、根と土が良くなじみ来春の苗の生育も旺盛になります。寒冷地では、寒さによって枯れることがあるので3~4月の春に植え付けるのが良いです。
ブルーベリーの培養土はそのまま植え付けに使用しますが、ここでは一般の培養土とピートモスで作る用土での植え付けをご紹介します。
植え付け手順
- バケツの中にピートモスを入れて、水を含ませます。大きな塊がなくなるまでよくかき混ぜます。
- ピートモスと同量の用土を入れてブレンドします。これが植え付ける基本用土になります。
- コンテナは鉢底に水が抜ける穴があいているものを選びます。その穴に鉢底ネットを敷き、土が出ないようにします。
- 鉢の底が見えなくなる程度に、鉢底石を入れます。
- ピートモスをブレンドした土を入れていきます。
- 1/3ほど用土を入れて、元肥として緩効性や遅効性の化成肥料を施します。適量を均一にまきます。
- 肥料をよく混ぜてから、肥料が直接根に触れないように、さらに用土を入れてから、苗を植えます。
- 苗をポットからはずして根鉢を軽くほぐします。休眠期の苗なら、古土を多めに落としても大丈夫です。
- 株元の高さを調整し、さらに株元がコンテナの中央になるように固定しながら用土を入れていきます。
- 割りばしなどの棒で鉢をつつくと、土が奥まで入ってしっかり植え付けることができます。
- コンテナの縁2㎝ほど下まで土を入れて、表面を平らに整え、両手で軽く押さえます。
- 土の表面にバークチップを敷き詰めます。
- ブルベリーの根元に水を与えます。鉢底から流れ出るまでたっぷりと水やりをします。
- 枝の先端を切り詰め、さらに株元から伸びるひ弱な枝は整理します。
植え付け後の注意事項
ブルーベリーは、日当たりを好みます。植え付けた鉢は日当たりと風通しの良い場所で年間を通して管理しますが、乾燥に弱いのも特徴です。株元にはバークチップとか樹皮などを敷いて、こまめに水やりをして夏場の乾燥に注意します。
ブルーベリーの土作りに不可欠なビートモスは、通気性・保水性・排水性に富んでいますが、1度水切れすると極端に給水が悪くなります。植える前にしっかり水を含ませ、植え付け後も水を切らさないようにします。
まとめ
春にはドウダンツツジに似た釣り鐘状の小さな白い花を咲かせます。夏から秋にかけては、1番の楽しみとなる美味しい果実が収穫できます。採れたての完熟したブルーベリーの味は格別です。
また、秋には、葉が真っ赤に紅葉します。ベリーは四季折々で様々な表情を見せてくれ、庭のアクセントとしても人気があります。もちろん、栄養価も豊富ですよ。四季の管理についてはこちらから。
《 ブルーベリーの苗 紹介 》
《 ブルーベリー加工品紹介 》