バジルには、150種類以上の品種があります。一般的によく知られているのはスイートバジル。つややかで柔らかい葉は、爽やかな香りが強く、イタリア料理には欠かせません。夏頃に茎の上部にクリームがかった白い小さな花が咲きます。今回は、人気のハーブ、バジルの育て方について紹介します。
ハーブを育てる前に準備するもの
土の選び方
素焼き鉢で育てる場合は、保水性が良く、pH調整されている市販の培養土やハーブ専用の培養土が便利です。自分で土を作る場合は、赤玉土6:堆肥3:パーライト1 をブ混合します。
鉢の選び方
ハーブは比較的、通気性の良い土を好むため、素材は多孔質な素焼き鉢が適しています。プラスチック製の鉢は、保水性が良く軽くて安価ですが、通気性や排水性がやや劣ります。金属製の鉢は見た目はおしゃれですが、熱を持ちやすいので置き場所に注意が必要です。大きさは、6号鉢(直径18㎝)に1株か、8号鉢に2~3株を植えこみます。
苗の選び方
園芸店で購入する場合は、葉色が良く、葉がたくさんついて枝の勢いがいいものを選びます。葉が枯れていたり、枝に勢いがないものは避けましょう。
バジルの育て方のポイント
バジルの基本情報
- 科名:シソ科メボウキ属
- 原産:インド・熱帯アジア
- 花期:7~9月
- 草丈:45㎝
- 収穫期:6~10月、植え付け30~40日後、草丈20㎝くらいになったら適期、収穫できます。
植え付け
植え付けは5~9月。寒さに弱いので日当たりの良い暖かい場所に、夏は日中の強い陽射しを受けると葉が硬くなるので、半日陰が良いです。
- 鉢底ネットを敷く。
- 鉢底石を2㎝の深さまで入れる。
- 培養土を1/3程度入れて、ポット苗を入れ、土の高さが鉢縁から3㎝下になるように位置決めをする。
- 苗を植える。ポットから苗を取り出して中央に置く。
- 苗の周りの隙間に土を入れる。根を傷めないように割りばしで土をつつき、隙間に土を足し、しっかりと苗を安定させます。
- 水やりします。鉢底から流れるまでたっぷりと与えます。
水やりと肥料
水を好む植物ですが、過湿に弱いので、土が乾いたらたっぷりと水を与えます。肥料は、春~秋の成長期に2ヶ月に1回の緩効性の置き肥をし、2週間に1回液体肥料を与えます。
育てる場所
ハーブの多くは、温暖な気候を好むので、暑すぎたり寒すぎたりする環境が苦手です。季節に合わせてベストな場所へ、鉢植えは移動させて育てます。
収穫
草丈が20㎝以上になったら、茎の頂点を敵心を兼ねて摘み取ります。先端の若い葉から収穫することで、わき芽が増え、葉の枝数も増えてきます。花が咲いたら、花穂をカットします。シソの花と同じように、花穂は薬味や飾りとして利用できます。
増やし方
夏の終わりに花を咲かせ、枝が枯れてくる頃まで種を熟成させ、枝をしごくようにして種を取ります。翌春4月末~5月上旬に種まきを行って、増やしていく方法があります。また、シーズン中には、わき芽を水にさしていると発根します。根が出たら、ポットに移し鉢植えします。
病害虫の予防
葉が込み合って風通しが悪くなったり、蒸れたりすると病害虫が発生しやすくなります。ハダニは、葉から養分を吸汁して白っぽく葉がなります。アブラムシは、葉の裏につき、小さなゴマ粒のように見えます。見つけたら、すぐに対応していきましょう。幼虫は割りばしでつまみ、細かい害虫は粘着テープを割ればしに巻いて捕獲しましょう。
コンパニオンプランツとして
ハーブに中には、病害虫を遠ざける香りを持つ品種があります。野菜などの守りたい植物の近くに植えることで効果を発揮します。一緒に植えることで害虫による被害を軽減することができる植物を「コンパニオンプランツ」「共生植物」と呼びます。
バジルは、トマトやブロッコリーのコンパニオンプランツとして共に育てたいハーブになります。アブラムシを減らし、野菜の生育を助けてくれます。他のハーブでのコンパニオンプランツとしての役割は次のようになります。家庭菜園にご利用ください。
- カモミール = 玉ねぎ・キャベツ → 生育を助け、病害虫を防除。
- タイム = キャベツ・ズッキーニ → 鉢を呼び寄せ受粉を良くする、モンシロチョウが卵を産むのを妨ぎ、青虫被害から守ります。
- ミント = トマト・カリフラワー → 青虫やアブラムシが減少します。生育を助けるため、野菜の風味が増します。
- ローズマリー= 人参・豆類 → 病害虫を防除。
- セージ = キャベツ・人参 → モンシロチョウの卵を産むのを防ぎ、青虫被害から守ります。
- ナスタチウム= ピーマン・ナス → アブラムシの天敵であるテントウムシを呼び寄せることができます。
- センテッドゼラニウム = すべての農作業 → 蚊が嫌う香りのため、虫よけ効果があります。
《 ハーブ栽培商品紹介 》
まとめ
バジルは、初心者でも比較的簡単に育ちます。ハーブは、香りを楽しんだり、料理に活用したり、ヘルスケアーに使ったりと大活躍します。ハーブのある豊かな暮らしを楽しんでみませんか。園芸は、自分に合った物をそろえればよいと思います。最小限のスペースで、最大限に有効活用する。いつもの生活が、一味違ったものになるかもしれません。