ドクダミと聞くと、「あの臭い草」とほとんどの人が答えるくらい強烈な臭いが印象に残る野草です。でも、このドクダミは、別名ジュウヤク(十薬)と言われ、体内の毒素を排出してくれる素晴らしい野草なんです。5~7月はちょうど花の咲く時期となります。名前に反して、花は白くかわいいですよ。今回は、ドクダミの利用方法とカルパッチョで食べた感想をご紹介します。
ドクダミって、こんな野草!
- 科名:ドクダミ科ドクダミ属
- 別名:ジュウヤク、ドクダメ、ジゴクソバ、ウマゼリなど
- 分布:日本から東南アジアに広く分布
- 群生地:湿った陰地
- 種類:常緑多年草
- 花期:5~7月
- 草丈:20~50㎝
- 香り:草全体にアルデヒド由来の独特の香り有り
- 花言葉:白い追憶
ドクダミは、昔から、ゲンノショウコウ、センブリとともに日本の三大民間薬の一つに数えられています。毒を抑えることを意味する「毒を矯(た)める」から、「毒矯め」が転訛して「ドクダミ」と呼ばれるようになったといわれています。他にも、「毒痛み」の意味で毒や痛みに効くことから名づけららたという説もあるようです。
ベトナム語ではザウザプカーまたはザウジエプカーと言われ、「魚の野菜の葉」という意味を持っているそうです。英語ではフィッシュミント・フィッシュハーブなど魚の臭いにまつわる名称が多く、東洋のハーブとして人気があるようです。
白い花弁と思っているのは、実は総苞片で、その中央につく長さ1~3㎝の円柱状のものが雄蕊と雌蕊のみからなる花穂になります。繁殖力が高く、地下茎でどんどん殖えていきます。抜き取ったと思っても翌年出てくるほど丈夫です。なので、地植えには注意が必要です。
ドクダミに含まれる成分と効能は?
地上部の茎・葉の特有な臭いは、デカノイルアセトアルデヒドという成分で、これには制菌作用があるといわれています。
花には、イソクエルセチン、茎と葉になクエルセチンとカリウム塩が含まれています。
ドクダミの開花期の地上部の茎や葉を陰干し、乾燥させたものを中国の生薬名で魚醒草、日本では十薬として流通しています。
それそれの成分の効果は次の通りです。
【デカノイルアセトアルデヒド】
抗菌作用、抗カビ性がある。白癬菌やブドウ球菌も殺す作用がありますが、乾燥させると抗菌効果はなくなります。生の葉をもんで、その汁を患部につけるか湿布すると効き目があるといいます。屋外での虫刺され、腫れものなどの処置に利用できます。
【ラウリルアルデヒド 】
デカノイルアセトアルデヒドと同様にドクダミ特有の臭いの成分で、抗菌作用があります。
【クエルシトリン】
利尿作用、動脈硬化の予防作用があります。
【クエルセチン】
毛細血管を丈夫にする作用、利尿作用があります。
【カリウム塩】
利尿作用、動脈硬化の予防作用があります。
どんな風に使えばいいの?、食べる方法は?
薬草茶の王道、ドクダミ茶
ドクダミをお茶にする場合は、全草必要なので、根っこから抜くか、茎から切っても良いです。葉だけを摘むなら、茎先の柔らかい若葉を手で摘みます。
【作りやすい分量】 乾燥ドクダミ5~10本、水1000ml
- 良く流水で洗い、古タオルかキッチンペパーで押さえ拭き
- 茎の元を縛り、葉を下にして、約7日間天日干しにします。
- パラパラと崩れるようになったら出来上がりです。細かくして保管します。
- 水と乾燥ドクダミを入れて沸かす。沸騰後、弱火にして、弱火にして約40分ほど掛けて2/3(700ml)くらいになるまで煎じます。
- 茶こしで漉して、熱いうちに飲みます。野草茶は腐りやすいので冷蔵保存で、早く飲み切ること。
《 ドクダミ茶商品紹介 》
ビールにピッタリ、夏野草のてんぷらはいかが?
夏は、そうめんのお供に、ビールのおつまみにてんぷらでいただくのはどうでしょうか。
ほのかな苦みと爽やかな青い香りのする野草は、てんぷらとの相性がとっても良いようです。特に、ドクダミの癖のある香りはやわらいで、食べやすくなります。
他に使える夏野草は、身近なところで、ヒメジョーン、ツユクサ、クズなどの花と若葉です。
野草をてんぷらにする場合の衣は、卵は使わず、粉と水、塩だけで作るシンプルな配合が、素材の香り・苦みをしっかり味わえるようです。
サラダ風に使ってーカルパッチョー
【今回のレシピは、カルパッチョ】材料1人分:アジ中1匹、ドクダミの葉1~2枚と花と蕾、大葉1枚、ミョウガ1個、新玉ネギ1/6~8個、市販のカルパッチョソース
- アジは、お刺身を作るように3枚おろしにします。薄く切ります。
- 野菜は水洗いしたあと、大葉・ミョウガは線切りに、新玉は薄くスライスして、塩水に短時間さらします。
- ドクダミの葉も線切り、花と蕾はそのまま盛り付けに利用。
- 全てを、投入して、カルパッチョのドレッシングであえます。
大葉、ミョウガについては、我家の裏庭でとれたものを昨年冷凍保存していたので、今回はそれを利用しています。初めて生でいただくドクダミです。
最近、パクチーを始めとする香菜が出回り始めました。岡山もその産地になるのですが、この香りについては、好き嫌いがはっきり分かれるところですね。「癖があるから美味しいい」という人もいます。
ドクダミは、まだ香菜食材としての位置が確立していませんが、海外では魚のハーブとしてよく利用されているようです。是非、味わってみてください。
葉と花は香りが少し軽くなります。口の中で、ドクダミの香りがサーッと広がる感じです。今回は千切りなのでそこまで他の葉野菜との食感の違いは出ていませんが、生春巻きの具にも利用されてますので、こちらだとしっかりとした味わいがでるのではないでしょか。ぜひお試しを。
入浴剤として、リフレッシュしてはいかがでしょう
ドクダミの葉を数枚摘んで、水洗いをします。あとは、刻んで、ティーパックに入れ込み、お風呂に入れます。湯に入れて、良くもんで、ドクダミのエキスを出すこと。抗菌作用もあるので、あせもなどにも良いと思います。
《 ドクダミ化粧品商品紹介 》
冷蔵庫の香に 脱臭剤として
花を茎から切り取り、コップにさして冷蔵庫に、また、トイレに置くと、可愛い脱臭剤になります。
まとめ
裏庭で、いつの間にか増えてきているドクダミです。可愛いお花が咲き始めて、ふと思って食材に取り入れてみることにしました。お茶としては、市販されているので味わったことはありますが、生でいただくのは初めて。その辺にある野草という感覚しかなかったので、外国風に魚のハーブとして今回は料理の一品として登場しました。
先入観なしでいただくと、香菜としても良いかもですね。5つの使用方法をご紹介しています。皆様も是非一度、使ってみてくださいね。健康にも良い食材です。夏の使いやすハーブについてはこちらから。